薬剤師の日常。

80歳の糖尿病の薬飲んでるおばあちゃんに変化球を投げてみた。

毎日のように糖尿病の薬を患者さんに渡すのだけど。

70、80代でも糖尿病で薬を飲んでる人はたくさんいる。
薬を渡しながら話していておもうのだけど、
若い人よりも「食べる」という事への意識が強い気がする。

それは恐らく、戦後、好きなものをたくさん食べられなかったことがあったりすのかな〜とも勝手に思ってる。

で、変化球の件だけど。

この、おばあちゃんもだけど。

糖尿病と診断されてから、何年何年も同じことを言われてきてるはずで。

医師からも、看護師からも、薬剤師からも、家族からも・・・・。

「食べ過ぎないで」
「甘いものは食べないように」
「運動をして」
「体重を増えないように」

などなど。

でも、今のところ、その言葉で患者さん本人に意識の変化があったようには見えない・・・。

今回も薬を渡す時に同じような話から始まったわけだけど。

おば) 今回も先生に甘いものを控えるように言われたよ。でもね食べちゃうんだよね。

僕) そっか〜、毎回言われてるね〜。何で食べちゃうんだろうね〜?
スーパーでお菓子買わなければいいんじゃないの?家にあるから食べてしまうやろ?

おば) でもね、孫が来たときにお菓子あげたいからね。

僕) でもそれ、おばあちゃん食べてるよね?

おば) がははっ!そうだね〜。

僕) 今度からさ、お菓子買わなかった金額分、貯めといて、お孫さんにお小遣いにしてあげたらどう?

おば) おー!それはいいね!それはお小遣いが溜まってしょうがいないわ!

ってな、感じでおばあちゃんは薬局を後にしました。

何年も何十回もいろんな人から同じことを言われて、効果がないのなら、言い方や切り口を変えるといつもと違う反応があるかもしれない・・・。

と、おばあちゃんから教えてもらいました。

おばあちゃんが、翌日からお菓子食べるのを控えたか、どうかはわからないけど・・・・。
また、来月聞いてみよう。

と、書きながら、もうひとつ思いついたのでまた、改めて書く。

しかし、ばあちゃん・・・・。

お菓子代でお小遣いが貯まってしょうがない、とは、どれ程お菓子を買っていたのだろう・・・。